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ついに今夜激闘、守護神ならではの視点で語るCL決勝の見所とは


 悲願のチャンピオンズリーグ初制覇を目指すパリ・サンジェルマンか、はたまた7シーズンぶり6度目の欧州制覇を狙うバイエルン・ミュンヘンか。

リーグ・アン3連覇中のフランス王者とブンデスリーガ8連覇中のドイツ王者が、23日(日本時間24日)にUEFAチャンピオンズリーグ19-20シーズン決勝の舞台で激突する。  DAZNで生配信される注目の一戦に向けて「THE ANSWER」では元日本代表GK川口能活氏にインタビューを行った。幾多の修羅場を切り抜けてきた守護神ならではの視点で語るチャンピオンズリーグ決勝の見所とは――。  ◇ ◇ ◇  奇しくも準決勝を3-0という同じスコアで勝ち上がってきた両チーム。一発勝負に大会方式が変更となった準決勝で、バイエルン・ミュンヘンはリヨンを、パリ・サンジェルマンはライプツィヒを破って決勝にコマを進めた。  それぞれのチームのスタイルについて川口氏が見解を述べた。 「バイエルン・ミュンヘンの戦術に複雑さはありません。むしろとてもシンプルな戦い方ですが、その質がとても高いと感じます。スプリント回数が多く、インテンシティが高く、全員がとにかくハードワークする。それを徹底しているという印象です。  それに挑む格好のパリ・サンジェルマンは、相手の出方を見ながら戦い方を変えられる試合巧者です。準決勝のライプツィヒ戦では序盤にピンチがありましたが、そこを無失点で切り抜けてから徐々にゲームを支配していきました。経験豊富な選手が多く、トゥヘル監督のマネジメント能力も大きい。  シンプルながら力強い自分たちのスタイルで戦うバイエルンと、相手や状況を見ながら勝機を見出していくPSG。準決勝を完勝と言っていいスコアで制した2チームですが、タイプとしては異なるチームが対戦する決勝だと思います」  いずれも世界的なビッグクラブで各国代表クラスの選手を大勢揃えていても、それぞれ得意とする土俵がある。  ならば、試合序盤の主導権争いが大きなウェイトを占めることになるだろう。川口氏が最初にポイントに挙げたのは「キックオフから30分あたりまでPSGが無失点でしのげるか」だった。 「仮にPSGが早い時間に先制したとしても、バイエルンとしては自分たちの戦い方を貫くだけなので大きな影響はないでしょう。ただ反対にバイエルンが早い時間帯に先制すると、その勢いのままゲームが進むことになると思います。準々決勝でバルセロナを8-2で破ったバイエルンはそれくらいの力と勢いがあります。PSGとしては早い時間帯での失点は絶対に避けなければいけません」 
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「僕が注目しているのはディ・マリア」、その理由とは?


 圧倒的ポゼッション能力を誇るあのバルセロナをいとも簡単に呑み込み、準決勝でリヨンをあっさり退けたバイエルンの前線からのプレスはどんな点が優れているのか。シンプルさを追求した先にある本当の強さを解説するのに、難しい言葉は必要なかった。 「前線にいるレヴァンドフスキ、ミュラー、ペリシッチ、そしてニャブリは守備意識がとても高い。前線からのチェイシングを怠らず、さらにプレスバックも積極的に行います。あれだけ前線の選手がハードワークしてくれたら、後ろの選手もそれに応えざるをえません。戦術的にもメンタル的にもスイッチが入りますし、それを大会方式が変わってタイトな日程の中でも常に続けているのは本当にすごいことです。バイエルンは決勝戦でも高い位置からプレスをかけるでしょうし、それを90分間継続するはずです。それができる彼らは本当に強い。まさしくスーパー・バイエルンです」  強いバイエルンに対し、序盤を無失点でしのぐことでPSGにもチャンスが生まれる。試合を決める存在をクローズアップした時に、バイエルンの面々にまったくひけを取らない“個”がPSGの前線にいる。 「ネイマールとムバッペは個の力で局面を打開できる特別な選手です。彼らはトップスピードの中で高いテクニックを発揮できるので、バイエルンがスペースを与えてしまうと厄介な存在です。  そして僕が注目しているのはディ・マリアです。ネイマールとムバッペが自由に想像力を発揮できるのは、一歩引いたところからサポートするディ・マリアの存在が大きい。それにライプツィヒ戦の先制点のようにプレースキックという武器もあります。経験豊富で勝負どころを知っている選手ですし、30歳を過ぎてからさらに進化していると感じます」  いぶし銀のディ・マリアの名前を挙げた川口氏は、そのほかにも「進化するベテラン」としてバイエルンのレヴァンドフスキやミュラー、さらにはPSGのチアゴ・シウバの名前を挙げた。30歳を過ぎてもまばゆい輝きを放つ選手たちが、たしかにいる。  バイエルンの守護神・ノイアーもその一人だ。 「バイエルンは高い位置からプレスに行きますが、どうしても背後を突かれる場面が出てきます。そのピンチに立ちふさがり、チームを引き締めているのがノイアーです。今大会のノイアーはとても安定しています。もともとハイラインの背後のスペースをケアできる守備範囲の広さがストロングポイントでしたが、それが裏目に出るシーンもしばしばありました。今のノイアーは一時期と比べるとスタートポジションがそれほど高くない。状況に応じてペナルティエリアを飛び出す場面もありますが、より自然に正しいポジションを見つけられている。キャリアハイとも言うべき円熟味を増したパフォーマンスでバイエルンを支えています」  バイエルンの最後尾に立ちはだかるのがノイアーなら、PSGのゴールマウスを守るのはリコだ。スペイン代表にも名を連ねる実力者でありながら、クラブレベルではナバスの2番手に甘んじていた。しかし準々決勝のアタランタ戦でナバスが負傷。大一番でチャンスがめぐってきた。 「ナバスはレアル・マドリード時代にUEFAチャンピオンズリーグ3連覇に貢献した素晴らしい選手です。ですがリコもセビージャ時代から能力を示していた選手で、彼がサブにいるのは心強いはず。準決勝でのプレーも安定していましたし、リコにとっては名声を上げるチャンスで、大きな野心とともにピッチに立つはず。バイエルンの猛攻をストップすることができればPSGにもチャンスが生まれるでしょう。リコのパフォーマンスが鍵を握っているといって過言ではありません」  最後はGK目線で決勝の行方を占ってくれた川口氏。今大会はGKのたった一つのミスが勝敗を分ける試合も少なくないだけに、両ゴールマウスを守るノイアーとリコにかかる期待は大きい。  勢いのバイエルンか、試合巧者のPSGか。雌雄を決する決戦の幕が、もうすぐ上がる。